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表具修復

- 掛軸 -

更新日: 2005年7月11日

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= 掛軸の修復 =

折り伏せ・折れ止め

 掛軸は、収納時に巻きますから、掛軸に特有の傷み方があります。曲げ伸ばしを繰り返すうちに、本紙が折れたり、その折れた部分がこすれて、紙が磨り減ったりするのです。さらに、そこから破れてくることもあります。それを防ぐため、折れた部分に裏側から細い紙を当てて補強することを「折り伏せ」や「折れ止め」といいます。また、本紙と裂地の境目は折れやすいので、新品の掛軸にあらかじめ折り伏せを入れておくこともあります。

折り伏せをした状態
折り伏せを入れた掛軸
折り伏せの拡大写真


= 掛軸のトラブル =

 掛軸によくあるトラブルのパターンと、長く使うための対策についてまとめました。

トラブル

写真

解説と対策

本紙の絵具や墨のこすれ
墨がこすれた状態

巻くことによって本紙表面がこすれ、絵具や墨、あるいは印鑑の朱肉が裏側に写ることがあります。それがまた表に写って本紙が汚れたり、こすれることによって絵がぼやけたりします。

掛軸をあまりきつく巻かない、湿った状態で収納しない、などの注意が必要です。

本紙・裂地の虫食い
虫喰いの穴があいた本紙

紙や布は、虫にとって格好の餌になります。掛軸は巻いてあるので、外側から軸に向かって虫食いが進行すると、縦に並んだ穴があくことになります。

防虫香で虫除けしましょう。化学合成系の虫除け剤は、裂地や絵を傷める可能性があるので、天然素材の防虫香をお勧めします。また、定期的に虫干しをすることで虫害を防ぐことができます。

本紙の折れ・シワ
折れた本紙

掛軸を巻くときにきつすぎても、逆にゆるすぎても、本紙に折れやシワができます。折れたものを放っておくと、その部分が弱って破れてくることもあります。

巻いたときに隙間がないよう、また、力を込めて固く巻いたりしないよう、適度な強さで巻くようにしましょう。

裏打の浮き
裏打ち紙が浮いた本紙

本紙と裏打紙の間の糊が弱って、部分的にはがれている状態です。みみず腫れのようになるので、すぐにわかります。

糊の加減や裏打の仕方など、表具師の技術不足によるものもありますが、きつく巻かないようにし、湿気をに気をつけることで、ある程度は防ぐことが出来ます。

本紙・裂地の破れ
裂地と本紙が破れた掛軸

掛軸の裂地は、何枚かの裂地をわずかな糊しろでつなげてありますので、無理な力がかかると継ぎ目から裂けてしまいます。折れた部分が弱って、そこから破れることもあります。さらに、その裂け目が広がって本紙まで破れてしまうこともあります。

掛けてある掛軸に無理な力がかからないようにします。また、風鎮を掛けると、その重みで掛軸の傷みが早くなります。必要なとき以外は風鎮を使わないようにしましょう。

軸先
軸先が取れた状態

掛軸の軸先は、裂地が巻かれている軸棒とは別の部品が取り付けられていますので、軸先に強い力がかかると、外れることがあります

掛軸を巻くときに必要以上に力を込めないようにしましょう。巻いた後で、軸先を持って絞るように巻き固めるのはよくありません。また、風鎮の重みも負担になります。

本紙のカビ・シミ
カビが出た本紙

湿った状態で収納すると、本紙にカビやシミが発生します。

晴天が3日以上続いた日を選んで虫干しします。また、表面にホコリがついていたら、それをはらってから収納します。

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