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表装について

- 掛軸 -

更新日: 2005年7月8日

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= 掛軸について =

 掛軸は、表具の中で最も繊細で、制作が難しいと言われています。その理由としては、もともと伸び率の違う材料を貼り合わせてあるために、乾湿の差によって変形すること、巻いたり伸ばしたりという扱いに耐えなければならないこと、その上で柔軟性を保たなければならないことなどが挙げられます。また、絵や書と、それを取り巻く裂地の色合いや柄、組み合わせなどのバランスがとれていなければなりません。

 家の床の間には山水や花鳥、茶室には墨蹟、寺院には仏画、神社には天照皇大神・・・掛軸は日本文化の様々なシーンに浸透した、表具の代表と言えるでしょう。


= 掛軸の種類 =

 掛軸には、表具三体と言われる形式があり、表補絵(ひょうほえ)・幢補絵(どうほえ)・輪補絵(りんほえ)といいます。現在では単に表補(ひょうほ)・幢補(どうほ)・輪補(りんぽ)と呼ぶことが多いようです。それぞれを真・行・草の式とし、それをさらに真・行・草に分けますが、草に関しては真の形式がなく、全部で八種類の形式になります。この真・行・草とは、書道における漢字の書体からきており、日本の伝統文化全般にその意味が転用されている理念です。簡単に言うと、真は正式な形、草は略式、行はその中間を埋める形式と言うことができるでしょう。

表具の三体/八式 (大和表具)

表補絵 (真)
真 (真の真)
真の表具は仏教に関連した本紙(仏像・名号・曼荼羅・題目など)を表装する形式で、本尊表具、仏表装(表具)、仏仕立などと呼ばれます。主として金襴の緞子が用いられ、きらびやかな表具になります。
行 (真の行)
草 (真の草)
幢補絵 (行)
真 (行の真)
 最も一般的な掛軸の形式で、書、花鳥、山水など、様々な用途に使われます。行の行を三段表装、行の草を二段表装とも言います。行の行は大和表具あるいは本仕立とも言われますが、大和表具の定義には諸説があり、厳密にどのような形式を指すのかは、はっきりしていません。
行 (行の行)
草 (行の草)
輪補絵 (草)
行 (草の行)
一般に、茶掛(ちゃがけ)表具と呼ばれる形式で、茶室に掛けるため、華麗な仏表具とは対照的に、簡素な印象を与える表具です。
草 (草の草)

上記以外にも、下表のような形式があります。

その他の形式

文人表具
(中国から伝わった形式)
見切(みきり)
大和表具でいう中縁を天地の裂で廻したもの。中縁は一文字の上下につきます。
袋(ふくろ)表具
見切から中縁をなくしたもの。これから風帯をとった形のものを丸表具と呼びます。
明朝(みんちょう)仕立
掛軸の両側に細い裂(斜子)をつけたものです。
台(だい)表具
短冊や色紙などの小さな本紙を、それより大きな紙にはめ込んだ形です。
柱隠し
幅の狭い本紙を輪補仕立にし、風帯を一本だけつけたものです。名前の通り、床の間ではなく床柱に掛けます。

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