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表装について

更新日: 2005年7月8日

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= 表装とは =

 表装(ひょうそう)は表具(ひょうぐ)とも言い、絵あるいは書などの作品を掛軸・和額・屏風などに仕立てたり、それらの古くなったものを仕立て直す仕事のことを指します。また、その仕事に携わる職人を表具師と呼びます。「表装」が仕事の名称として使われるのに対し、「表具」という言葉は、仕事の名称としてだけでなく、掛軸や和額自体のことを言い表すのにも使われます。


= 表具の歴史 =

 日本での表装の始まりは、禅僧が鎌倉時代に中国から持ち込んだ掛物を真似て作ったことからと言われています。当初は仏教の経巻や仏像画の表装が主で、「装こう手」(そうこうしゅ・「こう」はさんずいに黄の字です)と呼ばれていました。奈良時代、写経をする紙に罫線を引く専門の職人がいて、それが経師(けいし)と呼ばれ、同じ職人が経巻に仕立てる仕事もしていたことから、経師(きょうじ)という読みを使ってその仕事を区別しました。鎌倉時代になると、経師とは別に「へうほうゑ師」(ひょうほえし)という職人が登場し、そのあたりから経師と表具師が分かれたと言われています。

 室町時代、書院飾りと呼ばれる様式を編み出した能阿弥(1397〜1471)の孫である相阿弥(1472〜1525)が、茶道における真・行・草の三体の様式を確立し、それが表具の三体に繋がっています。時代は下って、表具(ひょうぐ)という言葉が天正年間(1573〜1586)に現れ、この頃から表具師(ひょうぐし)と呼ばれるようになったと思われます。日本での掛軸は、当初から絵画を主としていましたが、村田珠光(1422〜1502)が一休禅師から授かった墨蹟を掛けたことから、茶席では墨蹟を掛けることが主流になったようです。茶道と言えば千利休ですが、彼も茶器の中で掛物が第一であり、その中でも墨蹟を最高位であると位置づけています。


= 表具の種類 =

古くはそれぞれの職人が分かれていましたが、やがて表具師がほとんどの仕事を兼ねるようになりました。ただ、表具店によっては掛軸が専門であったり、襖が専門だったりする場合もあり、また畳店が襖の仕事をしていることも多く、実際には分業制が復活している状況と言えるでしょう。

表具の種類と解説

掛軸
(かけじく)

表具の中でも代表的な位置づけにあるもので、表具といえば掛軸のことを指す場合もあります。掛軸の用途によって、裂地の組み合わせ、配分などの形式が大きく三種類(真・行・草の三体)に分けられ、それをさらに細分した八種類の形式が基本とされています。

和額
(わがく)

日本古来の木枠の額を、デッサン額や油絵の額に対して和額と呼んでいます。主に横長なので、扁額(へんがく)や欄間額(らんまがく)ともいいます。

屏風
(びょうぶ)

格子状の骨組みに紙を張り重ね、紙の蝶番で繋ぎ、裂地や紙を張って枠を取り付けたものです。二枚折りのものを二曲(にきょく)、六枚なら六曲(ろっきょく)というふうに呼びます。


(ふすま)

最近の洋風化した住宅ではなかなか襖を見られませんが、部屋と部屋の仕切りとして使われる引き戸のようなもので、格子状の骨組みに紙を張り重ねて枠を取り付けてあります。鴨居(かもい)と敷居(しきい)の間にはめ込まれます。

衝立
(ついたて)

これも大きな家でないと見かけませんが、玄関で目隠として置いたり、応接間に立てたりします。ほぼ真四角の骨組みに紙を張り、太目の枠にはめ込みます。

巻物
(まきもの)

表具の原点とも言える巻物ですが、現代では掛軸よりずっと見かける機会が少ないでしょう。お経や絵巻などを保存することが主な目的で、あまり派手な装飾は見られません。掛軸よりも細い軸に巻き、本紙は掛軸よりも細長いのが普通です。

画帖
(がちょう)

これは、長い紙を蛇腹状に折りたたんで裏表に表紙をつけた形です。これも現在ではなかなか見られない表具です。

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