̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■日本美術表装メールマガジン「表装雑記」 vol.1
「創刊ごあいさつ」 発行:日本美術表装株式会社
http://www.hyoso.co.jp/
_____________________________________
この度は、日本美術表装メールマガジン「表装雑記」にご登録いただきまして、
ありがとうございます。このメールマガジンは、表具修復を事業の柱とする日本美術表装
株式会社の宣伝とホームページ更新の告知、表具に関する豆知識、職人にしか知り得
ない現場の生情報や技術情報、編集担当の雑感などを盛り込んでお送りする予定です。
────────
もくじ
────────
■ 日本美術表装株式会社とは?
■ 表装・表具とは?
■ 表具師とは?
■ 編集後記
┼───────────────────────────────────┼
■ 日本美術表装株式会社とは?
愛知県一宮市にある、主に表装を扱う会社です。今年で創業15周年を迎え
ました。美術品を扱う商社である株式会社日本美術の、表装部門を担う会社と
して設立されました。普通、表具屋さんというと、個人で営んでいるところが
多いのですが、当社は現在12名の従業員が働いており、そのうち10名が
表具技能士の資格を持っています。
15年の間に、お客様からお預かりして修理・修復した表具作品の数は、
およそ7万点になりました。表具修理だけでこれだけの数をこなしている
事業所は、全国的に見てもかなり珍しいでしょう。もしかするとトップレベル
かもしれません。で、もしかして日本でトップレベルということは、もしかして
世界でもトップレベルなのかもしれません。なにぶんマイナーな業界なので、
全国的な統計情報などがありませんから、はっきりしたことは言えませんが。
そういうわけで、全国から集まった表具の修復を手がけてきた当社ですから、
もしかするとあなたの家にも、あるいはご近所のお家にも、当社の職人が
修復した作品があるかもしれませんね。
┼───────────────────────────────────┼
■ 表装(ひょうそう)・表具(ひょうぐ)とは?
具体的には、掛軸・屏風・和額(扁額・欄間額ともいいます)・衝立・襖などの
製作・修復を手がける職業、あるいはその物自体を指す言葉です。掛軸や額などは、
基本的には紙に描かれた絵や書を保存・装飾するために作られます。最初から
形になった掛軸や額に絵や書を描くわけではありません。屏風や襖など、大きな
作品は、あらかじめ白紙で作られたものに描かれることもありますが、基本は
一枚の紙、あるいは絹を、掛軸や額に仕上げていくことになります。
元々は中国から伝わった技術ですが、日本では宗教や茶道と結びつき、独自の
形式を備えた美術工芸として発展を遂げました。お寺には仏様の絵が描かれた
掛軸や、お坊さんの書いた書が額に入れられています。神社には天照皇大神の
掛軸や絵馬があり、茶室には掛軸が欠かせません。
このように、表装・表具というのは、古くから日本人の生活に根付いた伝統文化
と言うことができるでしょう。
┼───────────────────────────────────┼
■ 表具師(ひょうぐし)とは?
その名の通り、表具を生業(なりわい)とする職人のことです。表装の技術は
仏教とともに伝来したと言われており、お経の巻物を作る仕事が中心でした。
それで、巻物を作る職人のことを経師(きょうじ)と言いますが、表具師と経師の
境界がはっきりしているわけではなく、両方を兼ねた職人さんもいるようです。
当社でも、巻物の修復をすることがよくあります。
現在は一級表具技能士(労働大臣認定)と、二級表具技能士(県知事認定)の資格
認定制度があります。二級で3年以上、一級で5年以上の実務経験が必要です。
当社には一級表具技能士が6名、二級表具技能士が4名います。
┼───────────────────────────────────┼
■ 編集後記
第一回目の配信ということで、会社のことや表具の基本的なことについて
書いてみましたが、いかがでしたか?一応、それなりに文献をあたって調べ
ながら書いていますが、もし間違いや勘違い、誤字脱字などがありましたら、
ご指摘いただけると幸いです。文章だけではわかりにくい部分もあると
思いますので、Webサイトの写真なども参考にしてみてください。
個人事業の多い表装業界の中では比較的規模の大きな会社ですが、
社員数は十数名のこぢんまりした組織なので、ネットでの展開(Web
サイトの管理とメールマガジン)は、周りの協力を強引に得ながら、一人で
作業しています。少数精鋭ということですね。編集担当も一級技能士なので、
表具に関するご質問などお気軽にお寄せ下さい。
では、次回をお楽しみに。
┼───────────────────────────────────┼
「表装雑記」vol.1 編集担当:奥村
webmaster@hyoso.co.jp
|